離婚問題について

その1 離婚の種類と原因




協議離婚
夫婦の双方が話し合いの上、合意して離婚届を市区町村長に提出すれば離婚は成立します。
離婚事件の80%は協議離婚ですが、その理由として次のことが考えられます。
 
   
1. 第三者の関与が殆んどなく、夫婦の合意のみで時間的、経済的に有利に進めたい場合。
2. 相手が本当の離婚理由を知らないので、性格の不一致との理由のみで自分の有責を問われたくない場合。
3. 相手に愛情が無くなり、無気力になって自然消滅した場合。
4. 金銭的な問題によりやむを得ない場合。
5. その他
 
 しかし、協議離婚には次の問題点が在ります。
1. ほとんどの場合当事者の一方が、身勝手でありもう一方は何等かの犠牲を強いられます。 (その子にまで)
2. 手軽な協議離婚は、第三者の関与が少ない事から、なかなか冷静な判断をくだせません。
3. 同様に、第三者の指摘が無いため一方的な追い出し離婚が成立する。
4. あまり無いが、自分が知らない間に離婚届けが出される。
5. その他

調停離婚
  当事者間で話し合いが出来ない場合、家庭裁判所に調停を申し立て話し合 いにより離婚しますが、特に離婚理由は必要ありません。 又離婚回避の為にも調停は行われます。

又相手が家裁に出頭しない場合もあり強制力も無いので従って相手が納得しなければ話し合いは着かず離婚は出来きません。 しかし相手が納得して成立した事項は判決と同様に履行する義務を負います。
   

判決離婚
  家裁において調停をしなければ裁判は出来ません。
裁判は地方裁判所で行われますがそれなりの離婚理由が必要です。
法律で定める離婚原因は、民法770条1項、2項で次の通りです。
 
1項
1. 配偶者に不貞な行為があったとき
2. 配偶者から悪意で遺棄されたとき
3. 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
4. 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みが無いとき
5. その他婚姻を継続し難い重大な事由が有ると
2項
1. 裁判所は、前項第1号ないし第4号の事由が有るときでも、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することが出来る

不貞行為
  不貞行為の要件には性関係が必要と思われがちですが、関係(セックス)が無くても不貞と認められる場合があります。

不貞行為と認める明らかな証拠が無くても、2人の交際状況からみて、不信と考えても無理からぬ状況が確認されていれば離婚請求は可能です。

   

悪意の遺棄
  夫婦は同居する義務があり、互いに協力し扶助しなければならない、と民法752条で定められているので、この義務を果たさない事が、遺棄にあたります。 例えば
 
1. 収入があるのに生活費を渡さない場合
2. 健康であるのに働こうとせず、博打等を繰り返し生活費を渡さない場合
3. 理由も無く愛人等の所に入り浸り返らない場合
4. 理由も無く一方的に実家に帰ってしまい別居した場合
   

生死が不明
  ただ居所がわからないのとは違い、最後の音信から消息が不明(蒸発)で3年間生死の確認が出来ないときは裁判により離婚することが出来ます。又7年間生死がわからない場合民法30条により、失踪宣告を受けることができ、失踪者は死亡したものとみなされます。

しかし失踪宣告の場合その後に生きて帰ったときは、その死亡を取り消されますので利害関係が発生する場合があるので注意が必要と考えます。
   

精神病
  相手が強度の精神病で回復の見込みが無い場合とは、おおよそ次のような精神障害のことですが、最近では医療の発達によって回復する場合もあり実際には精神病としての離婚請求は難しいと言われています。
   

その2 慰謝料請求


慰謝料
 

離婚による慰謝料の請求は、加害者の不法行為に対してぺナルティを課すと同時に離婚後の生活の安定、必需品の購入、名誉の回復、精神的苦痛を軽減をすると言う意味があり、当然の権利ですから泣き寝入りする必要は全然ありません。

慰謝料とは、不法行為(例えば浮気)により受けた精神的苦痛と有責に対する損害の賠償として民法710条により請求することです。

民法710条では、(他人の身体、自由又は名誉を害したる場合と財産権を害したる場合とを問わず、前条の規定に依りて損害賠償の責に任ずるものは財産以外の損害に対しても其の賠償を為すことを要す)と規定されていますので、生命、身体、自由、名誉、などの権利を侵害された場合、精神的な苦痛による慰謝料を請求できるのです。

   

慰謝料の額
 

夫婦の関係は千差万別であり一概にいくらと決まるものでは有りません。
責任の重さや夫婦の結婚年数、生活レベルなどにより、さまざまな個別的な事情を考慮して決まりますので、平均とか相場と言うものはありませんから例えば、相手が民事調停の場で1億円払うこと (あまり現実的でないが) を合意した場合は受け取ることが出来ます。しかし話がこじれて訴訟になった場合は、全ての事情を考慮して、判例や司法統計年報などを参考にして決められているようです。

同年報によれば全国平均では、結婚年数7年前後で400万円〜最高800万円前後と言われています。この他に夫婦で蓄積した財産の分与を請求できます、財産分与は民法768条により法律上認められていますので、仮にあなたが有責であっても分与は請求できますが、其の有責により相殺される場合もあり得ます。

慰謝料は、其の不法行為により受けた精神的苦痛に対して請求される物ですから、例えば浮気が原因であれば、その事実関係が確認されていれば浮気相手にも当然共同の責任が有り、共同不法行為による慰謝料の請求が出来ます。

   

婚の心構え
  現実に離婚するとなれば、かなりのエネルギーが必要となります。
殆んどの人は結婚したときには、式を挙げて披露宴で何百人もの人が集まり応援もしてくれますが、離婚するとなれば相談しても誰も責任をもって聞いてくれるものでは有りません。

誰にも言えない苦しみ、悩みを解決するには、いったい何が問題かをよく考え相手が何を考えているのか冷静に判断する必要があります。いたずらに感情的になって結論を急げば失敗しかねません。また夫婦喧嘩の度に離婚を口にする事も溝を深くしてしまうものです。

あなたが本心から離婚すると気持ちが固まっておりその離婚理由も妥当であれば、次のような問題を考えて見ましょう。
   
 
話し合いが出来る状態か?
夫婦の双方が冷静に話し合える状態であれば、協議離婚も可能。
しかし大抵は一方の身勝手な言い分により嘘が多く誠意が無い為、夫婦喧嘩となり最悪の場合暴力沙汰になる事があります。
別居しなければならないか?
冷静な話し合いができない場合や暴力を振るわれるときは、別居する事も考えなければなりません。
が、浮気が原因の場合は、事実関係を確認してなければ(相手とは別居後の関係だ!)と言って有責を逃れようとするので、別居の前に事実を確認して下さい。
離婚成立までの生活をどうするか?
やむを得ず別居となった場合でも法律上はまだ夫婦ですから、夫は別居中の妻子に対して生活の保障をすべきであり婚姻費用の分担義務がありますから生活費は請求できます。
もし夫が払わない場合は婚姻費用の分担請求は民法760条で定められているので家庭裁判所に支払いの調停を申し立てます。ちなみに支払いの全国平均は月ずき10万円〜20万円であり妻が払う場合もあります
浮気などの事実関係は?
浮気の事実関係の確認は、いつ頃から、何処の誰と、どのような関係にあったのか?を客観的に見ても疑いを持つに足る明らかな証拠があれば裁判所では不貞行為と認めますがそれを立証する必要があります。
例えば
浮気の関係を匂わす写真又はビデオ録画が有るとき
浮気の関係を確認した証人が居るとき
浮気の相手と二人きりで旅行に出かけた事実が有るとき
浮気相手と密室に2時間以上二人きりで過ごした事実が有るとき
浮気相手と頻繁に情交を交わしている事実が有るとき
浮気相手と二人きりで宿泊した事実が有るとき
浮気の関係を匂わす手紙等が実在するとき
浮気の現場を目撃したとき
その他浮気をしていると信じるに足る事実が有るとき
 

以上の他にその状況が解る日記、会話の録音テープ、相手が所持していた宿泊したホテルのレシートや領収書、電話帳に記載された相手の住所、氏名、電話の通話明細書、使用したクレジットカードの明細書所持していた不審な合鍵、等が証拠として採用されます。又、本人が浮気を認めているときは、本人が自筆した相手の氏名、住所、関係した日時、場所とその関係を記した念書が有れば有効です。

上記とは別に浮気の有無の確認だけであれば、下着に付着した精液を検出する精液探知試液も状況証拠として有効です。
精液探知試液エスチェックは当事務所にて(4cc約10回分 23000円で販売中)

注意
 女性の場合はコンドームを使用した場合検出できません。
    男性の場合は自然に廃精したと言われる場合も有ります。

 
調停をしなければならないか?
相手と話し合っても納得の得られる回答がない場合や誠意が見られない場合でも、いきなり裁判を起こすことはできません。
まず調停により夫婦関係調整事件として当事者と家事審判官1名、家事調停委員2名により事情を聴取して必要な助言や調整をおこない夫婦間の意見が一致するような話し合いを行います。これを調停前置主義と言って調停により話し合いがつかない場合や相手が出頭しない場合に裁判は行われるのです。

その為、相手の有責にかかわる事実の証明ができていれば調停の範囲で話が付き易いので、出来るだけ事実関係を立証した方が有利です。調停により成立した事項は裁判と同様の強制力を持ちます。
裁判で勝てるか?
調停が不調に終わった場合残る手段は裁判しかありません。訴訟を起こす以上は勝たなければ意味がありませんが、どんなに有能な弁護士をつけても正当な離婚理由が無ければ裁判所では、簡単に離婚を認めることは有りません。

日本は法治国家ですので法と証拠に基ずき判断を下しますので、民法770条1項及び2項の離婚原因が必要となります。もちろんそれを立証する必要があります。
慰謝料を取れるか?
離婚すれば必ず慰謝料を取れると言うものではありません。離婚の慰謝料は、その離婚原因が何であるか、責任はどちらにあるかが問題になるのです。
どちらにも責任が有り五分五分であれば慰謝料は有りません。

慰謝料が取れる法律上の根拠は民法710条の、「他人の身体、自由又は名誉を害したる場合と財産権を害したる場合を問わず 前条の規定によりて損害賠償の責に任ずる者は財産以外の損害に対してもその賠償を為すこと要す」と規定されており精神的損害に対して賠償する事ですから、どちらに責任が有るかが問題となります。

夫婦の場合責任のある側を有責配偶者と言ってその離婚について責任を負う事となるわけです。
子供はどうするか?
協議離婚の場合、未成年の子供の親権者は夫婦のどちらか一方が親権者と定め離婚届に記載しなければ離婚届は受理されないことになっています。
したがって、離婚が決まっても親権者をどちらにするか決めなければ離婚できないことになります。一旦、親権者を決めてしまうと戸籍に記入され、後で親権者の変更をしたくても家庭裁判所の許可が必要となり厄介な事になってしまいますので、注意が必要です。

判決離婚の場合は裁判所が決定しますが、基準となるのは、子供の利益、子供の福祉が前提となり、次のような点が問題となります。
(1) 父母の心身の健康状態 
病弱、情緒不安定、性格異常等により子供の人格形成を害するような場合は適当でない。
(2) 子供えの監護の状態
  出張等が多く家を空けることが多い場合や職業により育児に適当でない場合監護補助者(例えば祖父母)が必要となる。
(3) 子供の状態
  子供の年令応じて、例えば子供が0歳〜10歳くらいまでは母親が適当と思われますが育児能力が必要です。
子供が10歳以上であれば、その子の意見も重視するべきです。
(4) 子供の現状
  すでに夫婦が別居状態にあり、一方の親のもとで監護養育されている場合、新たに生活環境を急激に変える ことは子供の精神的動揺を招き好ましくない場合がある。
養育費をどうするか?
生活地を何処にするか?
離婚後の生活はどうするか?
旧姓に戻るか?
財産をどうするか?
借金をどうするか?
利害関係をどうするか?
関係者をどうするか?
子供に接見できるか?
利害関係をどうするか?
その他
   
   

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